来年度から小学校での英語教育が本格的に始まる。中学や高校でも英語だけで話す授業の導入など、より実践的な学びとなる。子どもたちに国際化を生き抜く語学力を身に付けさせようという狙いだが、英語によるコミュニケーション能力を学校現場のみで高めるには限界もある。そうした中、幼少期から家庭で慣れさせる学習法が広がっている。ポイントは自然と英語に触れる環境づくりという。
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壁に張られた折り紙。棚には約2500冊の英語の絵本などが並ぶ。京都市山科区に事務所を構える「ストーリーガーデン(SG)」。7月に訪ねると、3人の女性が九州を含む全国の母親たちとテレビ電話を通して雑談を交わしていた。
英語で時事問題を意見交換する場合もあるが、多くは育児や日々の出来事を日本語で話す。「子どもが学校の授業に集中できていないと担任に言われた」。1人の相談内容に、それぞれが体験を元に助言することが通常の風景だ。
SGは、代表で夫がメキシコ人のマティアス谷本リサさん(41)=同市=が、友人の神原真矢さん(41)に呼び掛けて2015年に立ち上げた。全国に約100人の会員がいる。目指しているのは英語を「教える」のではなく、日常生活の中でそれぞれの子どもに適した学習環境の実現。特別なプログラムなどはなく「親は英語を話せなくても構わない。育児がより楽しくなってくれれば」と谷本さんは言う。
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こうした取り組みは「おうち英語」と呼ばれる。近年はネット環境の充実に伴い、母親たちが地域を超えてコミュニティーをつくり、家庭で気軽に使える英語教材などについて情報交換するケースが目立っている。
神原さんは出産をきっかけに、興味のあった英語を子どもと一緒に楽しみながら学ぼうと一念発起した。おむつの交換や食事の際などの声掛けを英語で行い、子どもが小学校に進学すると、オンラインの英会話教室も取り入れた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース