紀元前、不老不死の仙薬を求めて中国から徐福(じょふく)なる男がたどり着いたという。ここ、和歌山県新宮市は桃源郷か、はたまた……。
紀伊半島の南東岸、熊野信仰で知られる和歌山県新宮市に不思議な墓がある。紀元前の昔、不老不死の仙薬を求めて中国からたどり着いた男が眠るという。その名は徐福(じょふく)。てことは、この関西に仙人の住む桃源郷でもあったのか。よくある伝説のたぐいか、それとも――。
傾国の美女、唐の楊貴妃が山口にやって来たとか、大陸に逃れた源義経がチンギス・ハーンになったとか、はたまたイエス・キリストは青森で亡くなったとか、全国にはいろんなトンデモ(?)伝承があるけれど、新宮だって負けていない。
ここがまさか徐福上陸の地?
ときは中国・秦の世、日本でいえば弥生時代。不老不死を渇望する始皇帝の命を受け、徐福は3千人の童男童女を連れて船出した。東の海に浮かぶという仙境をめざした彼が上陸した地こそ、ここ新宮だったというのだけれど……。
話の出どころは大歴史家、か…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル