名古屋出入国在留管理局で昨年3月に亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)を巡る国賠訴訟の第2回口頭弁論が20日、名古屋地裁(佐野信裁判長)であった。国側は「入管の医療対応に違法は認められない」などと述べ、遺族側の訴えに対して初めて具体的に反論した。
遺族側は収容中のウィシュマさんが昨年1月から体調が悪化するなか、入管が適切な対応を取らなかったために同3月に死亡したと主張している。
訴訟の焦点の一つは、同2月15日の尿検査への評価だ。遺族側は脂肪が分解された時に出る物質「ケトン体」などが「3+」と飢餓状態を示す結果だったのに、入管が精神科を受診させたことなどを問題視。この結果を受けて仮放免を認めるか、点滴など適切な医療を講じていれば亡くならずに済んだと訴えている。
これに対し、国は検査後も入管が栄養の摂取を補うための措置を取るなど対応に問題がなかったと指摘。精神科を受診させたのも「体調不良が心因的なものである可能性も考慮した」として正当性を主張した。
仮放免を認めずに収容を続け…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル