塩入彩
記録的な暑さが続き、学校での熱中症に注意が必要だ。学校事故の災害給付制度を管轄する日本スポーツ振興センター(JSC)の統計では、2005~20年度に報告された熱中症が原因の死亡事故は33件。このうち8割以上を占め、最も多かったのが「体育的部活動」の28件だった。
JSCが1975~2017年の熱中症による死亡事故170件について分析したところ、部活動で最も多かったのは野球で36件。ラグビー17件、柔道14件、サッカー13件、剣道11件と続いた。学校行事でも登山8件、マラソン4件と屋外行事が目立った。
21年に文科省が策定した熱中症対策の手引では「屋外スポーツ、屋内でも厚手の衣類や防具を着用するスポーツで多く(熱中症が)発生する傾向がある」と指摘している。
21年度に小中高校の管理下で起きた熱中症の件数は2549件(速報値)。内訳は、小学校264件、中学校996件、高校などが1289件。中学と高校が多くを占めたのも、運動部の影響とみられる。
熱中症件数は18年度の7045件まで増加傾向にあったが、それ以降は減少。20年度は前年度を約1700件下回った。文科省は、新型コロナの影響で学校活動が減ったことなどが背景にあるとみている。担当者は「気温や湿度を参考に、熱中症への正しい知識を持って学校活動に取り組んでほしい」と呼びかけている。(塩入彩)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル