2020年東京五輪・パラリンピックのチケットについて、視覚障害者の団体から点字や音声での案内を求める声が上がっている。大会組織委員会は購入を支援する専用ダイヤル(050・3786・2948)を設けているが、「さらにわかりやすく伝える方法を検討したい」としている。
五輪とパラのチケット購入は専用サイトのみで受けつけている。東京都盲人福祉協会は17年から複数回にわたり、都や組織委に対し、競技日程や購入方法を説明する点字や音声CDの配布などを求めてきたが、実現していない。大会に関するバリアフリーの指針となる「アクセシビリティ・ガイドライン」では公共的な文書について「点字やテキストデータ、拡大文字、音声形式での提供が望ましい」としている。
協会によると、視覚障害者の7割以上は65歳以上の高齢者でインターネットやスマートフォンを使えない人も多い。協会会長で全盲の笹川吉彦さん(85)は「パラリンピックは共生社会を実現するための絶好の機会。必要な情報が、求める人に届くようにしてほしい」と話す。
組織委はHPを音声で読み上げるシステムや、チケット購入を支援する専用ダイヤルを設けている。協会が求める点字での配布について、担当者は「頻繁に情報が変わるため、配布は難しい」と話す。一方で、既存の申し込み方法の改善については「今後も検討したい」としている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル