新谷千布美、原田達矢
9月27日に開かれる安倍晋三元首相の国葬に知事や議長が公金を出して参列するのは憲法に違反するとして、弁護士や有志の住民らが19日、北海道、京都、大阪、兵庫の4道府県の各監査委員に対し、公金を出さないよう求める住民監査請求をした。結果が出るまでの間、公金支出を暫定的に停止することも求めた。
政府は7月22日、銃撃されて亡くなった安倍元首相の「国葬」を行うことを閣議決定。憲政史上最長の8年8カ月にわたって首相を務めたことや、国内外から幅広い哀悼・追悼の意が寄せられていることなどを理由に挙げ、費用は政府が全額負担することになった。
住民側は請求書で、首相経験者の葬儀は内閣・自由民主党合同葬が慣例で、首相在任期間は国葬の理由にならないと主張。国葬は、追悼を国民に強いることにもつながるとし、「法の下の平等」を保障した憲法14条や「思想・良心の自由」を保障した憲法19条などに違反すると訴えている。
また、知事や議長の参列は「相当確実に予測される」が、根拠となる法令はなく、国葬に関連した地方公共団体の公金支出も違憲だと主張している。
大阪府の吉村洋文知事は「国葬をやる限りは公務として参加する。公費を使った出席になる。自治体の長として参加するのは当然だ」と話した。京都府の西脇隆俊知事は、国葬への参列について「まだ案内も来ていない段階のため、お答えできない」と語った。(新谷千布美、原田達矢)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル