名古屋市北区の名古屋高速で大型バスが炎上するなどし、9人が死傷した事故で、火元はバスの前輪近くの燃料タンクだったとみられることが捜査関係者への取材でわかった。後続車のドライブレコーダーの解析で、バスは横転直後に出火したことも判明。数分後には車体全体が炎に包まれており、愛知県警は詳しい経緯について調べる。
県警によると、バスは22日午前10時過ぎに豊山南インターチェンジ付近で、本線と出口との分離帯に置かれたクッションドラムに衝突し、車体の左側を下にして横転した。
捜査関係者によると、ドラレコの映像では、直後に前輪付近から火柱が立った。炎は前輪付近の燃料タンクからも出ており、エンジンがある後方に伝わっていく様子も映っていた。県警は横転の衝撃で火花が発生したとみている。
バスを製造した「三菱ふそうトラック・バス」(川崎市)によると、バスの燃料タンクの容量は約400リットル。運行する「あおい交通」(愛知県小牧市)の説明では、事故当時は半分ほどの軽油が残っていたとみられるという。
この事故では、男性運転手(55)と乗客の1人とみられる2人が死亡。ほかの乗客6人が軽傷で、後続の乗用車も事故に巻き込まれ、運転していた男性がけがをした。
非常口から避難、まずは…
バス事故に巻き込まれた場合、どう対処すればいいか。交通工学が専門の近畿大の多田昌裕准教授は、「右側後方に非常口が設置されているので、そこから脱出を」と話す。
国土交通省によると、道路運送車両法令で、定員30人以上のバスには、車体の右側面の後部または後面に非常口を設置するよう定められている。非常口は、車内から外に向かって扉を押し開ける仕組みだという。
今回の事故は、車体の左側を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル