福岡市の「海の中道大橋」で3児が犠牲となった飲酒運転事故から、25日で16年が経った。飲酒運転撲滅をめざす福岡県警は、取り締まりの強化だけでなく、飲食店や運転手が勤務する団体に足を運び、飲酒運転を未然に防ぐ取り組みを進めている。担当するのは交通警察官たちだ。
6月、県内の繁華街にあるラウンジを県警交通企画課の友成啓太警部(46)が訪問した。店ではこの1年で2回、利用客が飲酒運転で検挙された。対策はきちんと講じられているのか、直接確認するためだ。
開店前の店内。入り口の検温器やトイレには、運転手には酒を提供しないと明記した手作りのポスターが貼ってあった。レジのそばには運転代行業者の名刺も置かれている。店に設置されたモニターでは数分ごとに、飲酒運転への注意を呼びかける映像が流れた。「これ以上何をしたらいいのか」。出迎えた店主は困惑した表情を見せた。
友成警部は、飲酒した客が運転しないことを確認するチェック表の導入や、レジでの帰り際の客への声かけを提案した。だが、店長は客足が遠のくことを懸念し「全員に確認するのは難しい」と打ち明けた。
友成警部は考えた末、接客す…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル