優れた現代詩に贈られる第30回萩原朔太郎賞(前橋市など主催)の選考委員会が2日、同市であり、詩人の川口晴美さん(60)の詩集「やがて魔女の森になる」(思潮社)が選ばれた。「コロナ禍の現代における『私』を見つめ、年を重ねる自分を融通無碍(むげ)に柔らかくとらえている」などと評価された。11月に贈呈式がある。
川口さんは「小さないくつもの声に光があてられたような気持ちです」とのコメントを出した。
コロナ禍で深まる孤立に迫る
「私だったかもしれない誰かの声を詩で掬(すく)い取りたいと思った」。現代最高の詩人に与えられるといわれる「萩原朔太郎賞」(前橋市など主催)に自身の詩集が選ばれた川口晴美さん(60)=東京都=は2日、関係者を通じてコメントを発表した。そこにはコロナの時代に生きる表現者の内なる切々とした思いがうかがえる。
川口さんは福井県小浜市生まれ。早大卒。2016年には詩集「Tiger is here.」で第46回高見順賞を受賞した。
今回の「やがて魔女の森にな…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル