川嶋かえ 植松敬
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件は、紳士服大手「AOKIホールディングス」から、同じく大会スポンサーだった出版大手「KADOKAWA」にも波及した。「賄賂」の総額は合計で約1億2700万円に。さらに第3のルートとして広告大手「大広」の家宅捜索も行われており、疑惑は底なしの様相を呈してきた。
二つの「コモンズ」に注目
東京地検特捜部が注目したのは二つの「コモンズ」だった。
一つは大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)が2011年に設立したコンサルタント会社「コモンズ」(東京都世田谷区)。名前の由来は「顧問」とされる。
広告大手「電通」の専務まで務め、「スポーツビジネスの第一人者」と言われる高橋元理事は退職後、人脈をいかして「顧問」企業の相談に乗るコンサル業をなりわいにしてきた。
もう一つは12年設立の「コモンズ2」(東京都中央区)。高橋元理事の6年後輩の電通マンで、雑誌局長などを務めた深見和政容疑者(73)が立ち上げた。先輩を慕い、社名も「コモンズ2」とした。
高橋元理事が深見代表に仕事…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル