性犯罪をめぐる刑法の規定の見直しを検討してきた法制審議会(法相の諮問機関)の部会で24日、議論を踏まえた法改正の試案が示された。最大の焦点だった強制性交罪は、該当しうる行為として従来の暴行・脅迫だけでなく8類型を例示し、被害者が声を出して抵抗できない場合も含めて「拒絶困難」な状態になった場合に成立すると改める内容になった。
部会は試案を軸にさらに議論する見通しで、試案通りになれば、結果的に今より処罰範囲が広がるとみられる。一方、被害者団体などが求める「意思に反して」という点だけを構成要件とした「不同意性交罪」の導入は見送られた。
同意のない性交について、現行の刑法では、「暴行・脅迫」を用いれば強制性交罪となるが、被害者の抵抗が「著しく困難」になるほどの暴行などでないと罪は成立しないと解釈される。また、酒や薬を大量に飲ませるなどして被害者を「心神喪失・抗拒不能」にした場合は準強制性交罪で別途、処罰してきた。
だが、いずれの罪でも焦点になる「抵抗が著しく困難」という基準はあいまいで、必死に抵抗した形跡がないなどという理由で無罪とする判決が各地で相次いだ。被害者側は、心身が硬直して動けなくなる抵抗の難しさが理解されていないと批判してきた。
「性交同意年齢」を13歳未満から16歳未満に引き上げへ
法制審の事務局を務める法務省はこの日、昨年10月から続く部会の議論を踏まえた試案を示した。
まず強制性交罪と準強制性交…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル