平川仁、武井風花
宮城県柴田町の毛利哲雄さん(当時74)が2020年9月に自宅で刺殺された事件で、インターネット上の「闇サイト」で殺害を依頼したとして殺人罪に問われた元建設作業員岩見尭明被告(29)=同県山元町=の裁判員裁判の判決が25日、仙台地裁であった。中村光一裁判長は「自らの手を汚すことなく犯行に導いた責任は免れない」として懲役19年(求刑懲役20年)を言い渡した。
判決によると、岩見被告は、森満受刑者(46)=殺人罪で懲役19年の刑が確定=や「闇サイト」上の氏名不詳者と共謀して毛利さんの長男の殺害を計画。同年9月11日、森受刑者は人違いだと気づかず毛利さんの左胸腹部を包丁で突き刺すなどして殺害した。
争点は、闇サイトを通じて長男の殺害を依頼した岩見被告と、長男ではなく毛利さんを殺害した森受刑者との共謀が成立するかだった。中村裁判長は、森受刑者は犯行時、玄関から出てきた人物を「刺せば依頼者から報酬をもらえるターゲット」と認識し、人違いで毛利さんを刺したと認定した。弁護側は、森受刑者が「長男ではないかもしれないと認識していた」と無罪を訴えたが、退けた。(平川仁、武井風花)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル