【動画】三陸鉄道で出会ったオイッスさん=東野真和撮影
休日、岩手県の沿岸を走る三陸鉄道(三鉄)に乗ると、運が良ければ会える。山田町特産のカキをイメージしたゆるキャラ「オイッスさん」。10月末、SNSでこれから乗車することを知った記者は、大急ぎで山田町に向かった。
海の幸を味わいながら車窓の眺めを楽しむ「秋のプレミアムランチ列車」。三鉄が休日に走らせている。
正午前、列車が陸中山田駅に着くと、オイッスさんが乗り込んだ。カキの殻を模した体に、大きく満面の笑みが描かれている。
「オイッス!」と、手を上げてあいさつした。乗客には事前に知らされていない。「何だあ?」と驚くお年寄り。「可愛い!」と喜ぶ子ども。「山田町といえば、カキ。英語でオイスター。で、私が生まれました」と明るくあいさつした後、ガイドが始まった。
「あの島はオランダ島。鎖国していた江戸時代にオランダ船が来たことに由来します」「この駅は本州最東端の駅です」――。列車が隣町にさしかかっても、勢い、山田町をPRする。
35分後、釜石市の鵜住居駅に到着。ホームで乗客と記念撮影に応じ、手を振って見送った後、今度は反対側に来た復路の列車に乗り込み、驚く一般客と世間話に花を咲かせた。
陸中山田駅に戻った。記者が待合室までついていくと「すみません。脱ぐのを手伝ってください」。着ぐるみを引っ張ると、中から汗だくの男性が出てきた。
知名度じわじわ、非公認のわけ
男性は、山田町でスーパー「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル