人のにぎわいと視覚障害者の利便性の共存を探る取り組みが、点字ブロックの発祥地、岡山市で動き出した。市中心部の商店街に点字ブロックを敷くための社会実験が始まった。ただ、外観や道の構造上の問題などから、慎重な対応を求める声も上がる。(吉川喬)
岡山市の商店街で社会実験
社会実験が行われているのは、市中心部のアーケードで覆われた表町商店街のうち約360メートル。商店街の中でも特ににぎわう天満屋岡山店(北区表町)近くの中之町・下之町エリアだ。10月17日から始まった。
対象エリアの道の中央には、幅30センチの黄色のテープが貼ってある。点字ブロックを模したものだ。さらに視覚障害者が歩くスペースとして、左右60センチの間隔を設けて緑色のテープも貼っている。全体で幅は合計1・5メートルだ。
商店街では今月、ワゴンセールのイベントもある。誘導員を配置することで、点字ブロックが塞がれても視覚障害者が安全に通行できるかも試す。
市は約1カ月にわたり社会実験した後、店舗などにアンケートを実施し、人や輸送車が行き交う商店街で点字ブロックが共存できるかを確かめる。大きな問題がなければ来年度以降、このエリアに点字ブロックを設置することにしている。
記者は点字ブロックの設置への慎重論に耳を傾けつつ、全盲の柴田さんと実際に商店街を歩き、課題を探りました。記事の後半で紹介します。
社会実験のきっかけは、視覚…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル