東京五輪代表選考会MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が15日、東京・神宮外苑いちょう並木発着で行われた。ファン注目の代表決定の裏で、男子のスタート時にトラブルが発生。号砲のピストルとタイム計測が連動せず、別のピストルに替えたために約2分、開始が遅れた。大会関係者は「原因は分からない。(五輪)本番で絶対ないようにしたい」と冷や汗。
マラソンの五輪代表選考で初めて導入された一発勝負の場。緊張感あふれる男子マラソンのスタートで、トラブルが勃発していた。スターターが号砲を鳴らす2分前、ピストルに計測の時計と号砲が連動していないことを示す赤ランプが表示された。結局改善されず、急きょ、予備のピストルと交換した。スターターが口頭で「スタート時間が遅れます」とランナーに伝達。開始は午前8時50分の予定だったが、選手は1分54秒待ちぼうけを食らった上で、ようやくスタートとなった。予備のピストルの号砲と計測の時計は無事に連動した。
組織委関係者は「原因は分からない。今後、検証していく」と渋い表情。スタート10分前までは異常はなかったという。また25キロ地点の通過タイムのデータが、計測器からサーバーに送られないシステムトラブルも。手動入力で送信して事なきを得たものの同関係者は「代表選考が懸かる重要な大会で不具合が発生し、申し訳ない」と陳謝した。こちらも原因は分かっていない。
通過タイムは手作業で送信 計測に関して、組織委は五輪に向けた大事なテストケースと位置づけていた。この日使用されたのはスイス・オメガ社製。五輪の公式タイムキーパーとなっており、本番でも同社のものが使われる。一方で日本国内で行われる陸上競技のタイム計測は、ほとんどが「SEIKO」と「NISHI」の2社が担当。オメガ社のものを試すのは、ほぼ初めてという状況だった。
今大会では大きな問題には発展しなかったものの、五輪本番では一つ間違えれば大問題になりかねないケース。組織委関係者は「どちらも通常は頻繁に起こるような問題ではない。あってはならないこと」と厳しい顔つきを崩さず「本番では絶対にないようチェックしていきたい」と再発防止を約束していた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース