東京都足立区は22日、大学生や入学予定者を対象に、大学4年間で総額約826万円を支給上限とする返済不要の「給付型奨学金」を新設すると発表した。入学金や授業料、施設整備費に充てられ、成績優秀な若者を経済的に支援する狙い。この規模の給付型奨学金は全国の自治体でも例がないと区は説明する。来年度の実施に向け、12月議会に条例案を提出する。
区によると、対象は区内在住の保護者がいる大学生ら。高校時の成績が5段階評価の4・0以上で、保護者の年収は800万円以下との条件がある。低所得層に加え、中間所得層も対象とした。毎年40人程度への支給を予定する。
金額の根拠について区は、私立大学の理系に進学した場合を想定。4年間の費用について入学金約25万円、授業料約454万円、施設整備費約72万円の計約551万円と国の調査を元に試算した。その1・5倍に当たる約826万円を上限とすることで、授業料などがより高額な医学部志望の学生らに対しても一定の助けができると判断した。
近藤弥生区長は記者会見で、「これまでは児童生徒を対象に子どもの貧困対策に力を入れてきたが、大学生や入学予定者への支援も充実させていく。足立区の子どもが夢や希望を実現できるよう、給付をしていきたい」と語った。
区は現在、無利子の貸し付け…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル