「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の元2世信者で、宗教2世の子どもの窮状などを訴えている小川さゆりさん(仮名)が9日、被害者救済新法案を審議している参院消費者問題特別委員会に参考人として出席し、宗教2世の救済を訴えた。
小川さんは「今回の法案の最大の積み残しの課題は、子どもの被害が現実的には全く救済できないということ」と指摘。その上で、宗教2世の子どもの被害防止救済のために、「来年の国会で宗教的な児童虐待を防止する法案を与野党で協力して成立させるようにお願いしたい」と訴えた。
小川さんら被害者が自ら公の場に出て被害を訴えている現状にも触れ、「自分の経験を話すだけでも深く傷つき、体調を崩しながらも訴え続けてきた。それは被害拡大の張本人の与党側に(積極的な)動きが見られないから、被害者がそこまでやるしかなかったという事実を忘れないでいただきたい。今後は積極的な政府の被害救済に期待いたします」と述べた。
◇小川さんの意見陳述は以下の通り。
旧統一協会の元2世信者の小川さゆりと申します。本日はよろしくお願いいたします。まだ幼い子どもと家庭がありますので、小川さゆりという名前が実名ではないことをお許しください。
今回、短期間で新法を作り上げてくださった政府、与野党、官僚の皆様に心から感謝いたします。まずは恐縮ですが、私のことについてお話させていただきたく思います。
私の両親は20歳前後の頃、旧統一教会に入信し、合同結婚式で結婚しました。父は元教会長、母は政治面でも教会から出馬した議員の選挙活動を手伝ったり、ウグイス嬢をしたりと、双方がとても熱心な信者でした。私はそこから生まれた2世信者で、現在は脱会しております。
次に両親が信者であったために私が受けてきた被害についてお話いたします。
幼少期から学生時代にかけて、貧しい暮らしを強いられ、親戚からのおこづかい、お年玉をもらっても没収され、親からも当然ありませんでした。誕生日、クリスマスプレゼント、小学校の卒業アルバムなどはお金がないため、買ってもらえませんでした。
服はお下がりで、美容院等へは行かせてもらえず、小学校一年生の頃から見た目のまずさからいじめに遭いました。20歳の成人式にいたっては興味がないと言われ、してもらえませんでした。
両親が親戚中を勧誘したり、お金を要求したり、そのことで怒られているところも見てきました。また、高校生から始めた5年間のアルバイト代約200万円ほどの給与も没収し、一度も帰ってきませんでした。
両親はこのような生活状況にもかかわらず、両親は私たちきょうだいに一切相談なく、教会への高額な献金を繰り返してきました。そういった献金につながる教育は幼少期から強制的に行われていきます。
献金の歌を毎週歌わされまし…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル