花角英世新潟県知事は5月29日に開催された定例会見で、えちごトキめき鉄道の運賃改定などに関する見解を明らかにした。
新潟県が筆頭株主となっているえちごトキめき鉄道は、北陸新幹線長野~金沢間の並行在来線である信越本線妙高高原~直江津間(現・妙高はねうまライン)、北陸本線直江津~市振(いちぶり)間(現・日本海ひすいライン)を承継して2015年3月に開業した。
以降、5年間はJR時代の運賃水準を維持するとしていたが、JR直通列車の減少や経費の増加などを理由に、当初の予定どおり2020年4月の値上げが申請されている。
これに対し花角知事は「5年間頑張りましたが、当初の計画通り5年後には改めてということにしていましたので、今回の運賃の値上げに至るということで、それはやむを得ないかなと思います」と述べ、理解を示した。
その上で、人口減少時代における地方鉄道のあり方を問われた知事は「地域交通の確保は、もちろん地方自治体のやるべきこともありますけれども、国としても、地域交通の確保をどう進めていくのかというところについては、ぜひとももう一段踏み込んで考えていただきたい」と述べ、地方自治体のみならず、国全体で相互に助け合う仕組みづくりも考えるべきテーマであるとした。
2015年3月の北陸新幹線金沢延伸時には、長野・新潟・富山・石川の4県に跨る長野~直江津~金沢間が県ごとに4社の第3セクター鉄道に分割されたが、これについては「県間をまたぐものについては、新幹線という幹線があるので、それは機能としては住み分けられてるのだと思います」として分割に理解を示した。
一方で、線路がつながっていることから、各社ごとに経営努力などを行なうよりは「3本の矢ではないですけれども、束になればより支援の厚みを増すことができるという部分があるのなら、そこは考える余地がまだあるかもしれません」と述べ、長野県(しなの鉄道)側と相互協力することに含みを持たせた。
《レスポンス 佐藤正樹(キハユニ工房)》
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