遠藤和希、森直由
日本の三大忍術伝書の一つで、伊賀・甲賀忍術の集大成とされる「万川集海(ばんせんしゅうかい)」が、戦国時代を経て松代藩主となった真田家の資料を集めた長野市の真田宝物館で見つかった。文書を見つけた忍者研究の第一人者の専門家は「これまで伊賀、甲賀の限られた家にしかないと思われていたので、長野での発見は非常に驚き」として、遠く離れた長野に残された忍術書の謎をさらに調査する予定だ。
三重大学人文学部教授の山田雄司氏(55)の調査で見つかったのは全22巻の万川集海のうちの「陽忍」の上下巻の写本。山田教授によると万川集海の江戸時代までの写本は、「忍者の里」として知られる伊賀(三重県)と甲賀(滋賀県)のほか、江戸幕府に提出された東京の全国3地域で約10点しか確認されていないという。万川集海の原本はまだ確認されていないが、写本は滋賀県甲賀市の指定文化財になっている。
8代藩主・真田幸貫が入手に関係?
真田宝物館によると、同館に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル