自然豊かな森の中で子どもたちを育む東京都日の出町の保育施設が、来年度から新たな名称で再出発することになった。高齢の園長が閉園を決意したことを知った保護者有志が、「他にはない自然を生かした保育環境を、未来の子どもたちにも残したい」と自分たちで新しい運営組織を立ち上げた。
施設は「大久野(おおぐの)幼児園 森の教室」(同町大久野)。園庭に柵がないなど一般的な保育施設の基準には当てはまらない部分もあり、認可外保育施設として運営している。園児は現在、2~6歳の24人。登園中のほとんどを外で過ごす。ユニークな保育環境を求め、青梅など近隣の西多摩地域や八王子などから来る子もいる。23区の子がいた年もあったという。
きっかけは海外
子どもたちは木々に囲まれた園庭で追いかけっこをしたり、生き物探しをしたりと思い思いに遊び、一輪車も上手に乗りこなす。
「どの子もバランスがいいでしょ。外で遊ぶと体がしっかりして、けがをしてもすり傷ぐらい」。田中則子園長(87)はそう話し、ほほ笑んだ。「次はあっち行こ」「そこ危ないよ」。子どもたち同士が声をかけ合い、田中園長らは黙って見守る。自ら考えて教え合うように導くことで、主体性や思いやりの心を育てているという。
園はJR武蔵五日市駅から徒…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル