村上友里
北海道江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」が運営する知的障害者施設で、結婚や同居を望んだ利用者に不妊処置を提示していた問題をめぐり、旧優生保護法(1948~96年)の下で強制不妊手術を受けた人たちを支援する全国被害弁護団が23日、声明を発表した。「どんな理由があっても、子どもを持つという選択肢を奪うことはあってはならない」と同会の対応を批判した。
声明は、同会が地域最大の福祉法人であり、一帯で暮らす障害者が支援を希望した場合は「ほぼ唯一の選択肢だった」とし、不妊処置は「事実上強制されていた」と指摘した。国による同種事案の調査も求めた。
弁護団共同代表の新里宏二弁護士は、東京都内で開いた会見で、「不良な子孫の出生防止」を目的に掲げた旧優生保護法に触れ、「この考えがまだ色濃く残っていると痛感した。強制不妊手術に正面から向き合ってこなかった国の姿勢に原因がある」と話した。(村上友里)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル