東京・新宿駅や横浜駅などで路上ライブをしている弾き語りのデュオがいる。
「なもなき」
2人のライブが今月、和歌山市のカフェバーであった。歌い出して1年あまりだが、SNSを通じて人気が広がっている。
♪誰もが誰かのヒーロー どんな時も 寄り添って思い合って背中押されてるんだ 今日も♪
路上で歌ってきた「史上最強の応援歌」だ。ランディこと田沢翼さん(27)の力強い歌声が、おにちゃんこと鬼武翔太さん(25)の優しい歌声と重なる。
ライブは、和歌山市内でおにぎり店を営む秋山実さん(46)が2人のSNSの動画を見て依頼した。「ぐっと何かをわしづかみにされた。気持ちのこもった歌声っていいなあと思い、和歌山でも聴きたくなった」と話す。
♪今頷(うなず)く桜 例え不条理な世界でも もがきながら 逞(たくま)しく生きているのですか♪
有給休暇を使って訪れたという東京都内の会社員・井上未陽さん(25)が好きな歌「桜がくし」だ。「仕事で嫌なことがあったときに聞くと明日もがんばれるんです。聴く人に寄り添うような歌が大好き」と言った。2人はライブの様子を普段からSNSにアップする。ファンの投稿への返信を欠かさない。和歌山県湯浅町の主婦神野聖子さん(52)は「メッセージを送ったらすぐ返事をくれた。生で歌を聴いてさらにうれしくなった」と喜んだ。ファンは広島や九州からも駆けつけた。
ライブの終盤、ランディとおにちゃんは涙を流した。路上で歌い出したころ、聴いてくれる人は2人ぐらいだったことを思い出していた。
北海道利尻町出身のランディ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル