浪間新太
奈良市の新しい火葬場の整備を巡り、建設用地の購入額が不当に高いとして、県市民オンブズマンの市民から背任容疑で刑事告発された仲川げん市長について、大阪地検特捜部は26日、不起訴処分とした。特捜部は不起訴の理由を明らかにしていない。
告発状によると、建設用地(計約11ヘクタール)の不動産鑑定評価額は、2017年に見積もりをした2社の平均で約5100万円。市は18年、約1億6700万円で地権者と売買契約を結んだほか、地中に産業廃棄物があり、撤去費もかかった。
特捜部は購入額について重点的に捜査し、仲川市長が任務に背いたとは言えないと判断したとみられる。
火葬場の建設用地の整備を巡っては、市民らは民事訴訟も起こした。大阪高裁は、評価額と市の購入額の差を「不均衡」と認定。市に対し、差額の約1億1600万円を仲川市長と地権者に支払わせるよう命じた判決が確定している。(浪間新太)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル