奈良の「きなこ雑煮」は、2度おいしいと聞いた。どういうことだろう。
「熱々をどうぞ」。旧柳生街道の入り口で民宿を営む「旅籠(はたご)長谷川」の長谷川充江さん(79)が、振る舞ってくれた。40年ほど前から、正月の客に出し、今は冬季限定(11~3月)で提供している。「小さい頃から食べているので、当たり前の食べ方だと思っていたんだけど、珍しい?」
頭芋や大根、金時ニンジン、豆腐を入れて、味は白みそ仕立て。大根やニンジンは丸型に切る。正月の縁起物として親しまれてきたため、丸い形で家庭円満の願いを込める。他にも縁起をかついだ具材だらけ。
別皿には、青大豆のきな粉がのっている。熱々の雑煮をほお張りながら、丸型の焼き餅を取り出して、きな粉にまぶして食べる。雑煮に入っているので、餅が柔らかいままで、きな粉の甘さも絶妙だ。
奈良の食文化研究会の池内ますみ副理事長(65)によると、古くから奈良県内で、食べられてきた雑煮だという。きな粉は、見た目が稲穂の色を連想させることから「豊作を願って食べていたのでは」という。
珍しい食べ方だが、奈良では…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル