映画やドラマを早送りで見る「倍速視聴」や、興味あるシーンだけを見る「飛ばし見」などが若者を中心に広がっています。この風潮を作り手側はどうみるのでしょうか。「ラストサムライ」で映画デビューし、32歳にして20年以上のキャリアがある俳優の池松壮亮さんは、「この仕事をしていなければ自分も倍速で見ていただろう。そういう想像力を失いたくない」と語ります。
いけまつ・そうすけ 1990年、福岡県出身。10歳のときミュージカル「ライオンキング」で舞台初出演、2003年公開の「ラストサムライ」で映画デビュー。近年の映画に「夜空はいつでも最高密度の青色だ」「君が君で君だ」「斬、」「宮本から君へ」。ドラマは「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」など。映画「柳川」が12月30日から全国で順次公開中、23年3月に主演映画「シン・仮面ライダー」が公開される。
――倍速視聴や飛ばし見について、どう考えますか。
作品を提供する側としては、悲しいと思いますが、同時に「仕方ない」とも思います。自分もこの仕事をやっていなかったら、多分倍速で映画やドラマを見て楽しんでいると思いますね。
――なぜですか。
資本主義が行き過ぎた結果、あまりにも大きな格差が広がったじゃないですか。あらゆることが自己責任で片づけられる不寛容な世界になってしまった。
そんな現代では、職場でも家庭でも人々は常に何かに追われていて、とても忙しい。映画を倍速で見るのは仕方ないと思います。そういう感覚は忘れたくないです。
作り手側からみた倍速視聴
倍速視聴が広がる時代、映像の作り手側はどうするべきかーー。記事の後半では、多忙な日々をおくる池松さんの時間の使い方や、SNSを一切使わない理由などについてききました。
――作り手側は、どういう心…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル