外尾誠
水を張った臼を持ち上げ、水を浴びながら後方に投げ飛ばして火災防止を願う伝統行事「臼かぶり」が9日夜、福岡県大牟田市の三池本町祇園宮であった。
1868年に周辺の80戸が焼けた大火を受けて始まったとされる。1950年代まで氏子の家々の前で水をかぶっていたが、道路事情で一時途絶え、83年に祇園宮で行う形で復活した。
この日は白装束に身を包んだ20~60代の氏子約20人が挑んだ。重さ30~80キロの臼を両手で持ち上げ、体を反らせて豪快に投げ飛ばすと、見物客から拍手と歓声があがった。地元の児童らもバケツの水をかぶって参加した。その一人の矢野雅明君(11)は「全身がびしょびしょになって楽しかった」と笑顔だった。
祇園宮の中野義治・神社会長は「コロナ禍でも無事に開催できてよかった。地域の大切な行事として守っていきたい」と話した。(外尾誠)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル