政府が次の通常国会に再提出予定の入管難民法の改正案について、入管施設に収容中に死亡したスリランカ人女性の遺族と弁護士が12日に会見し、死亡の経緯は「解明されていない」と述べ、再提出に反対した。改正案は、難民申請中は母国に送還しない規定の適用回数を制限するなど、女性の死亡問題が影響して廃案になった2年前の旧法案の骨格を維持している。
会見したのは2021年3月に亡くなったウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺族。新法案には3カ月ごとに収容の必要性を見直す修正が加えられたが、収容期間に上限は設けないままだ。妹のポールニマさん(28)は「姉は無期限に収容され、適切な治療を受けられずに命を落とした」として改善を求めた。
弁護士らは、ウィシュマさん死亡の経緯が解明され、遺族らが入管の改善策を認めない限り、新たな制度の検討はできないと指摘。旧法案の骨格が維持された点については「国際水準からほど遠い法案を再度提出するのは絶対に許されない」と批判した。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル