阪神・淡路大震災の発生から28年を迎えました。犠牲者を悼み、被災地の復興を願う関係者の言葉などをタイムラインでお届けします。
■■■1月17日■■■
5:46
発生時刻に祈り捧げる
神戸市中央区の東遊園地で「1・17のつどい」が開かれた。訪れた人たちは「1995 むすぶ 1・17」の形に並べた灯籠(とうろう)に一つずつ火をともし、地震発生時刻の午前5時46分に1分間黙禱(もくとう)した。
震災で長女の上野志乃さん(当時20歳)を亡くした父・政志さん(75)=兵庫県佐用町=が追悼の言葉を語った。「今も、志乃の足に触れた時の氷より冷たいという感触を鮮明なまでに覚えている。多くの災害から学ぶ教訓を生きている人間で生かす必要がある」
■■■1月16日■■■
17:46
武庫川に「生」の文字浮かび黙禱
6434人が亡くなった阪神・淡路大震災の発生から、17日で28年になる。17日は各地で早朝から追悼行事が開かれる。一部の会場では16日夕、先立って光がともされた。
兵庫県宝塚市の武庫川の中州では、街と人の心の再生を願って作られた「生」の字の石積みのオブジェがライトアップされた。市内在住の現代美術家、大野良平さんが2005年に制作し、増水で流失するたびに市民らと作り直してきた。現在のものは12代目。地震発生時刻の12時間前にあたる16日午後5時46分、市民らが黙禱(もくとう)を捧げた。
神戸市中央区の東遊園地でも、「むすぶ」という文字に並べた約4千本の灯籠(とうろう)を前に、集まった市民らが黙禱した。昨年は新型コロナなどの影響で灯籠の数を減らしていたが、今年は規模を戻した。
神戸市の市民団体によると、兵庫県内で17日前後に民間団体が予定する追悼行事は42件あるという。
■■■1995年1月17日■■■
05:46
震度7の激震 死者6434人、住宅約25万棟が全半壊
阪神・淡路大震災は17日で発生から28年となる。
阪神・淡路大震災は、1995年1月17日午前5時46分に発生。戦後初の大都市直下型地震だった。震源は兵庫県の淡路島北部で、マグニチュードは7・3。神戸市をはじめ県内の4市と淡路島で、史上初めて震度7を記録した。
人的被害は死者6434人、行方不明者3人、負傷者4万3792人。全半壊した住宅は約25万棟にのぼる。その後も国内で甚大な被害をもたらす災害が続発し、「大災害時代」の始まりとも言われた。
防災・復興対策が見直され、さまざまな仕組みがつくられていく契機となった災害でもあった。
発生から1年間で延べ約138万人のボランティアが活動。95年は「ボランティア元年」と言われた。ボランティア活動を後押しする特定非営利活動促進法(NPO法)のほか、耐震改修促進法ができ、国や自治体は住宅の耐震化を進めてきた。住宅再建に支援金を給付する被災者生活再建支援法もこの震災がきっかけで制定された。
17日は地震発生時刻の午前5時46分に、神戸市中央区の公園「東遊園地」をはじめ、各地で黙禱(もくとう)が行われる。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル