「歌会始の儀」が18日、皇居・宮殿「松の間」で開かれます。新年を祝う宮中の伝統行事で、共通のお題で詠まれた和歌が天皇陛下の前で披露されます。一般の国民も歌を寄せることが認められたのは明治時代で、入選者が儀式に出席できるようになったのは戦後でした。
歌会始では、天皇陛下をはじめ皇族の方々の歌が披露されます。コロナ禍の収束を願う気持ちや、大震災の被災者への思い。歌はその時代を反映したものも多くあります。歌と写真で時代をたどってゆきます。
2022年1月に開催された歌会始のお題は「窓」。宮内庁によると、天皇陛下は新型コロナウイルス感染拡大が収束し、人々の往来が再び盛んになる日が来ることを願う気持ちを歌に込めました。
<天皇陛下>
世界との往き来難(がた)かる世はつづき窓開く日を偏(ひとへ)に願ふ
皇后雅子さまは、21年9月に赤坂御用地から転居した皇居・御所の緑深い眺めを詠みました。
<皇后さま>
新しき住まひとなれる吹上の窓から望む大樹のみどり
天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは、成年皇族として初めての歌を寄せました。18年に英国へ短期留学した際の思いを詠んだ歌でした。
<愛子さま>
英国の学び舎に立つ時迎へ開かれそむる世界への窓
21年は新型コロナウイルス感染症の影響で2カ月余り遅れての開催となり、遠方に住む入選者はオンラインで参加しました。
お題は「実」。天皇、皇后両陛下は、新型コロナウイルス感染症の収束を願う気持ちを歌にしました。宮内庁によると、天皇陛下は、人々の願いと、人々が試練を乗り越えようとする努力が実を結び、感染症が収束するよう願う気持ちを込めました。
<天皇陛下>
人々の願ひと努力が実を結び平らけき世の到るを祈る
記事の後半では、長女愛子さま誕生の喜びを詠んだ雅子さまの歌や、沖縄で戦争の犠牲になった人々を思う上皇后美智子さま(当時は皇后さま)の歌を紹介します。
皇后雅子さまは20年5月…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル