「ミュージカルを多くの人に身近に感じてほしい」――。そんな思いで、結成から23年間にわたって公演を無料で続けている劇団がある。群馬県内の高校を卒業した大学生の女性たちでつくる、「アラムニーエース」だ。
今年1月27日の夜、前橋市内であった稽古の様子をのぞいた。
「そこで肩を落とさないように」「体の面の向きをもう少し意識して」
座長の石綱唯さん(21)からプロさながらの指示が飛んだ。
「ハイ!」。きびきびと返事したメンバーたちが、一つ一つ動作を確認した。
毎年2~3月の公演に向け、劇団のメンバーたちは1年間練習を重ねる。今年の公演は2月18日から。本番を控え、この日は午後6時半から3時間にわたりみっちりと稽古をこなした。
劇団は2000年、県内の女子高校を卒業した大学生らが集まって結成した。「アラムニー」は、「女性の卒業生、同窓生」という意味。卒業や就職でメンバーが入れ替わりながら、活動を続けている。
現在のメンバーは20人で、全員が大学生だ。
石綱さんは、昨年6月から座長を務めている。小学校低学年のころ、アラムニーの公演「ファントム―オペラ座の怪人」を見て、ファンになった。
「舞台上で『役を生きる』姿が輝いて見えた。私もいつか立ちたい」
小学校高学年からアラムニー…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル