井潟克弘
松山市公営企業局が老朽化した水道管の更新の必要性を訴えるために広報チラシに掲載した漏水事故の写真が、水道管の劣化とは無関係の交通事故で起きた漏水を撮影した写真だったことがわかった。職員が写真を選んだ際、漏水の原因まで確認せずに掲載したという。
写真が掲載されたのは、「まつやまの水道・下水道」と題したカラーB4判のチラシ。先月15日に発行され、市の広報紙に折り込む形で、市内全戸(約24万3千世帯)に配られた。
道路橋のたもとにある水道管が破裂し、水が数メートル以上勢いよく噴き上げる様子をとらえた写真で、「水道管の老朽化は、破損による漏水事故の発生リスクが高まる」「計画的に更新していく必要があります」といった記事と掲載された。
同局に「交通事故による漏水ではないか」と外部からの指摘があり、調べたところ、2014年に市内で起きた車同士の衝突事故で、水道管が破損した様子を撮影したものだと判明したという。
市公営企業局企画総務課は「今後は市民に誤解を招かないように対応していきたい」としたが、「あくまでも漏水事故のリスクを伝えることが目的の写真だった」として訂正などの予定はないという。
市は17日開会の議会定例会で、水道料金を平均13・89%引き上げる条例改正案を提案している。(井潟克弘)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル