三木一哉
NHK連続テレビ小説「すずらん」(1999年放送)に登場する「明日萌(あしもい)駅」の撮影セットがある北海道沼田町のJR留萌線恵比島駅で18日、冬フェスタがあった。19日まで。3月末で廃止される留萌線(石狩沼田―留萌)への感謝と惜別の思いを込め、鉄道グッズ販売の合同会社ぽっぽや(旭川市)が主催、町観光協会が協力した。
留萌線の駅名入りのマグネット板や入場券のレプリカなど鉄道グッズのほか、20食限定の駅弁を販売。インスタント焼きそばや、沼田の菓子の詰め合わせなども駅弁風の包装紙で売られ、鉄道ファンらが買い求めていた。
台湾・台南市から訪れた食堂経営、陳舒東さん(49)はSNSで留萌線の廃止計画やイベントを知って訪れた。「昨日、留萌まで列車に乗った。すばらしい風景だった。台湾ではローカル線はそれ自体が観光資源として活用されている。廃止は残念」と話した。
札幌市の会社員永井伸一さん(57)は「廃止された留萌―増毛間の海の景色が忘れられない。さいはての港町に向かう旅情あふれる線だった。乗客急減で廃止は時代の流れなのかもしれない」と惜しんだ。愛知県北名古屋市の男性会社員(32)は「北海道の鉄道が加速度的に減っているが、鉄道がなくなると行けなくなる場所も増えてしまう」と話す。
明日萌駅では3月、「ありがとう留萌本線フェスタ」が土日祝日に予定されている。(三木一哉)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル