本間ほのみ
上野動物園(東京都台東区)で生まれ育ったジャイアントパンダ「シャンシャン」(メス5歳)が21日、中国に向けて出発した。今後は中国・四川省にある施設で過ごす予定。絶滅の危機にあるパンダの保全に向け、中国でパートナーを見つけて繁殖を目指す。
シャンシャンは21日朝の開園前、トラックで園を出て成田空港へ向かった。大勢のファンが園外で見送った。福田豊園長は「多くの人を幸せにしてくれたシャンシャンにはありがとうと言いたい。この旅が無事に完了し、中国で活躍してくれることを願っている」と話した。空港から中国へはチャーター便で向かう。
園によると、午前7時の出発のため、シャンシャンにとっていつもより早い起床となった。だが、予定通りの時間に起きられず、出発は10分ほど遅れることになった。健康状態に問題はなく、様子も落ち着いていたという。
シャンシャンは2017年6月、繁殖研究目的で中国から借りた父親のリーリーと母親のシンシンの間に生まれた。両親の所有権が中国で、その子のシャンシャンも東京都と中国側の協定で返還が約束されていた。新型コロナの感染状況による5度の延期を経て、今回の返還が決まった。
上野で生まれて順調に成長したのは29年ぶりで人気を集め、19日の最終公開には多くの人が集まった。(本間ほのみ)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル