「ちょっとだけ待っててね」と言うと、当時2歳の長女は「うん」と返事をし、1歳の長男はニコッと笑った――。
神奈川県厚木市で昨夏、姉弟が車内で熱中症になり亡くなった事件で、保護責任者遺棄致死罪で起訴された母親の長沢麗奈被告(22)が書面による取材に応じ、事件直前の様子を証言した。
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被告は「全部自分のせいです」とし、2月末に始まる裁判員裁判で起訴内容を認めるという。
起訴状によると、長沢被告は昨年7月29日午後、駐車場の車内に2歳と1歳の姉弟を残したまま、知人宅を訪れ、2人を約2時間半放置。長男を熱中症の疑いで、長女を熱中症に伴う多臓器不全で死亡させたとされる。
長沢被告とその母親(54)によると、被告は高校卒業後、デイケア施設で週5回働いていた。2019年に地元の同級生と結婚し、翌年に長女姫梛(ひな)ちゃんを、翌々年に長男煌翔(こうが)ちゃんを出産。絶えず2人の顔をのぞき込み、かわいがっていた。
姫梛ちゃんは活発な「暴れん坊」。煌翔ちゃんは幼い頃の長沢被告に似てよく泣く子だったが、「なんでしゅか?」と声をかけると笑顔になったという。
長沢被告については、この事件の3週間前にも長男を車内に放置し、神奈川県警が被告にネグレクトの疑いがあるとして児童相談所に書面通告していました。2人が亡くなって半年以上が過ぎました。起訴勾留中の長沢被告が書面による取材に応じ、事件の詳細や死なせた2人の子どもたちへの心情を明かしました。
年子の育児に専念するなか…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル