ウクライナ北東部ハルキウでプラネタリウムの解説員をしていた女性が、避難してきた日本で、また解説員としての一歩を踏み出した。ロシアによる侵攻から24日で1年。女性が東京都足立区のプラネタリウムに映し出したのは、ふるさとハルキウの星空だった。
「今日は悲しいことは話したくありません。星の話で皆さんに希望を感じてもらえたら幸せです」
18日、東京都足立区の複合施設「ギャラクシティ」内のプラネタリウム。北緯49度にあるハルキウの満天の星が映し出された。「ウクライナの空の下で」をテーマにした企画だ。
オリオン座、日本との共通点
オレナ・ゼムリヤチェンコさん(30)がマイクを持ち、コンソール(操縦席)に立った。オリオン座、プレアデス星団、天の川……。投影される星空をウクライナ語で解説し、通訳が日本語に訳していく。「オリオン座は、農業が盛んなウクライナでは農機具の鋤(すき)にたとえられます。日本でも鋤に見立てたようで、共通点ですね」
おとめ座では、ウクライナの伝統的な女の子のお守り人形「モタンカ」を紹介した。「おとめ座は家族みんなを見守るモタンカのようです」
星にまつわるウクライナの神話や伝説も交えた解説は約30分間。「家から何千キロと離れた場所で自分の好きなことができ、心から感謝しています」と結んだ。
ウクライナ第2の都市ハルキ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル