中山直樹
独立行政法人「福祉医療機構」(WAM)の新型コロナウイルス対応の融資制度を悪用し福祉施設側から金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われている渡部秀規被告(48)=大阪市中央区=の公判が24日、福岡地裁であった。検察側は懲役4年を求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は3月15日。
検察側は論告で、被告は施設に対する虚偽の説明について、大阪府寝屋川市議の吉羽美華被告(42)=同罪で起訴=と事前に打ち合わせを重ねており、「計画的で巧妙な手口だ」と指摘。渡部被告が「首謀者として犯行を主導しており、責任は極めて重い」と主張した。
渡部被告は、裁判長から最後に言いたいことはないかと聞かれ、「ただただ反省、後悔をしている」と述べた。
起訴状によると、渡部被告は2020年7~12月、吉羽被告と共謀し、堺市の福祉施設代表に対し、特別なルートでWAMのコロナ融資の仲介ができると勧誘。「返済不要」と虚偽の説明をして1億2千万円の融資を受けさせ、うち5940万円を手数料としてだまし取ったとされる。(中山直樹)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル