妊娠から出産、育児を記録する「母子健康手帳」について、京都府は4月から、名称を「親子健康手帳」とすることに決めた。自治体独自の名称の併記が公式に認められたことも後押しし、交付主体の市町村に提案する。内容も保護者の家事育児分担表や育児休業の予定表といった府独自の項目を盛り込んだ。背景には、育児を巡る社会環境や価値観の変化がある。
母子健康手帳は、母子保健法で、妊娠を届けた人に市区町村が渡すことになっており、妊娠中の経過や赤ちゃんの成長、健診や予防接種の記録などを1冊にまとめたもの。厚生労働省が指定する全国共通のページと自治体ごとに変更できるページがあり、約10年ごとに見直している。来年度がその刷新の年だ。
母子健康手帳の名称変更の議論は10年以上前からされてきた。特に近年は共働き世帯が増えたことや、子育ては母親だけのものではないという意識が高まり、「母子」の名称変更への要望も高まっていた。
しかし昨年、厚労省の検討会が議論した結果、母親と赤ちゃんの健康管理が基本であるなどの理由から、名称を変えないことになった。ただ、父親らも利用しやすいように自治体が独自に異なる名称を併記することは認めた。
京都府も刷新時期に合わせて昨年、学識者や子育て支援団体などでつくる検討会で協議。「親子健康手帳」の名前を採用することに決まった。府の担当者は「父親と母親、また社会全体で子育てをする視点を重視した」と言う。
専門家「名称変更は意識改革につながる」
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル