【熊本】阿蘇地方の小学3年生の児童が同級生からのいじめで不登校になったと保護者が訴えたのを受け、地元教育委員会は13日、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として調査を進める第三者委員会を設けた。
保護者によると、学校は昨年7月、倒れ込んだ児童の背中に同級生が乗ったことをいじめと認め、その同級生に指導。双方の保護者を交えて謝罪の機会が設けられた。ところが、仲間外れなどが続き、児童は10月半ばから登校できなくなったという。
保護者は11月21日、学校にいじめの実態調査や児童の不安解消のための支援を文書で求めた。地元教委によると、学校は児童の欠席日数が目安の30日に達したことから、12月1日に重大事態と認定した。
第三者委は当初、弁護士と学識経験者、臨床心理士・公認心理師の3人で構成する予定だったが、保護者が文科省のガイドラインに沿った対応を求め、精神科医2人(1人は児童精神科医)が加わった。(城戸康秀)
解決「地域あげ取り組みを」
児童へのいじめが原因とみられる不登校が重大事態と認められたのは昨年12月だが、保護者が担任にいじめについて相談したのはその1年前のことだった。
保護者は、同級生十数人に聞き取り、昨年11月に「いじめ被害経緯書」を届けた。児童への行為は2年生の時から始まり、3年になってエスカレートした様子がうかがえる内容で、いじめ被害を担任に訴えても児童の「勘違い」などとされたケースもあったという。
仲間外れや無視を受け、9月から学校への「行きしぶり」が始まり、自傷行為もあった。児童は追い込まれ、「いじめとの因果関係が明白な適応障害」との診断も受けた。
第三者委にはいじめや不登校にいたった実態の究明が求められるが、保護者の願いは「いじめ行為がなくなること」だ。加害児童らに対して「処罰してもらいたいのでも、保護者に謝罪してもらいたいわけでもない。人の痛みが分かってくれるよう、きちんとしたケアを求めたい」という。
児童が通う小学校の規模は小…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル