東京都が、私立中学生のいる世帯に生徒1人あたり年間10万円を新年度から助成する。事業費は40億円。都は、東京ならではの事情を理由に挙げるが、中学受験の過熱を心配する声や公立校の充実を求める意見もある。
都の助成は、世帯年収910万円未満で、私立中に子どもを通わせる都内の家庭が対象。都は約3万6千人の生徒が対象になると見込む。
私立中学生がいる家庭への支援は、国もすでに取り組んでいる。ただ、入学後に所得が激減した場合のもので、都も同様の家庭に授業料減免をする学校などを支援している。
今回の助成はそれらと違い、対象が幅広い。都内の私立中学生は約8万人で、5割弱が助成対象となる計算だ。助成制度を設ける理由について都生活文化スポーツ局の担当者は「4人に1人が私立中を選択している現実がある。経済的事情で断念する子どもを少しでも減らしたい」と話す。近年、中学受験者数は増えており、文部科学省の調査(2022年度)では、都内の中学生全体に占める私立生の割合は全国最高の25・5%に上る。
一方、助成には、「910万円未満」という所得制限を設けた。「私立の高校生を対象とした先行制度に合わせた」と都は説明する。都は、国の制度に上乗せする形で世帯年収910万円未満の私立高生に対し、都内私立高校の授業料平均額を助成して「実質授業料無償化」とする制度を20年度から取り入れている。都内の私立は中高一貫校も多く、「そろえるべきだと判断した」(都の担当者)という。
私立中学生の割合が全国最高の東京都ですが、最大10万円の学費助成をめぐってはSNSや都議会などで様々な意見が出ました。都の説明や中学受験に詳しい方々の声を紹介します。
ただ、全国の統計ではあるが…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル