神宮球場と秩父宮ラグビー場の建て替えを含む明治神宮外苑地区(東京都)の再開発事業の見直しを求める集会が22日、神宮外苑であった。多数の樹木伐採を予定する計画に反対しながら先月亡くなった音楽家の坂本龍一さんの遺志を継ぐとして延べ6千人(主催者発表)が集まった。
集会は、坂本さんが共同で主宰していた市民団体が催した。参加した人気バンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション」の後藤正文さんは「坂本さんは、ミュージシャンがこういうステイトメントを発信しなくてもいい、そういう社会がきたらいいと常々おっしゃっていた」と振り返り、「有名な、坂本さん、忌野清志郎、ジョン・レノン、そういった有名人に全てを預け、代弁させて終わりにしてはいけない。坂本さんが残してくれた言葉のように、一人ひとりがこの問題を知って、直視して、将来がどのような姿であるべきか、話し合うことが必要だと思います」と呼びかけた。クリエーターのいとうせいこうさんらもメッセージを寄せた。
坂本さんは亡くなる1カ月前に、「目の前の経済的利益のために、先人が100年をかけて守り育ててきた貴重な神宮の樹々(きぎ)を犠牲にすべきではない」などと書いた手紙を小池百合子都知事らに送っていた。
再開発は三井不動産や明治神宮などによる民間事業で、2月に都が施行認可した。事業費約3490億円。高木を中心に少なくとも700本以上の木を伐採して若木を植える計画で、事業者は「緑地面積は増える」などと説明している。2036年に完成予定。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル