植松敬
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会マスコットのぬいぐるみの製造・販売をめぐって大会組織委員会の元理事に賄賂を渡したとして、贈賄罪に問われた「サン・アロー」前社長の関口太嗣(たいじ)(50)、父親で元社長の芳弘(75)の両被告の公判が26日、東京地裁であった。検察側は「犯罪が発覚しにくい体裁を整えて賄賂を供与しており悪質」として両被告に懲役1年を求刑した。
検察側は論告で、両被告が組織委元理事の高橋治之被告(79)=受託収賄罪で起訴=の指示を受け、ぬいぐるみの売り上げの1・5%を共通の知人の休眠会社に送金したことについて、「元理事への賄賂の支払いという実態を隠すためと認識していた」と説明。休眠会社と虚偽の業務委託契約を交わして適正な商取引を装ったと指摘した。
サン・アローは高橋元理事からライセンス契約締結などで有利な取り計らいを受けており、「契約を断られた企業にとって不公平な特別扱いで、不当な結果が生じた」とも批判した。
弁護側は、両被告が元理事が「みなし公務員」にあたるとの認識がなかったとして執行猶予を求めた。(植松敬)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル