山あいにある警察の自動車運転訓練場。
白バイが走り回る中、1人の女性隊員が、隅っこに並べられたコーンの間をくねくねと歩いていた。
両手でハンドルを握るような姿勢をしながら、体を傾ける。
「そんな急に回るかぁ」
「バイクがどう動くか、考えろ」
声が飛ぶたび、両腕をぐっと持ち上げる。緊張の時間が続く。
福岡県警交通機動隊の坂井希美巡査(24)は、警察官になって3年目。3月から訓練を始めたばかりの新米白バイ隊員だ。
県警が使う白バイは、排気量1300ccの大型二輪車。総重量は300キロ近くあり、操るのは容易ではない。倒れたバイクを起こす作業だけでも、全身がこわばるほどの筋肉痛になる。
一度ついえた夢
それでも、坂井巡査は白バイ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル