水泳3・8キロ、自転車180キロ、マラソン42・195キロの計226キロを走破するアイアンマンレース。千葉県八千代市の稲田弘(ひろむ)さん(86)は、10月12日にハワイで開かれる世界選手権大会で、自身が持つ最高齢完走記録更新に挑む。「年をとっても挑戦できることがうれしい。応援してくれる人たちの期待に応え、90歳までは続けたい」と話す。
NHKの取材記者だった稲田さんは60歳定年で退職すると、自宅近くにできたスポーツジムで水泳を始めた。もともと走るのは得意だった。69歳で自転車を購入すると、70歳になって初めてトライアスロン(水泳1・5キロ、自転車40キロ、ラン10キロ)の大会に出た。足がつったり自転車で転んだりしながらも完走した。
どんどんのめり込み、76歳で距離が4倍以上もある国内のアイアンマンレースに初出場。世界各地の大会上位者が参加できるハワイの世界選手権大会には2011年、78歳で初出場した。しかし、水泳で呼吸困難に陥ってリタイア。「悔しくて涙が止まらずリベンジを誓った。この経験が心のバネになった」
翌年、15時間38分で完走し、年末時点の年齢で区分けされた80歳以上の部で優勝した。ところが、翌13年から3年連続で失格。15年の大会ではゴール寸前で2度倒れ、制限時間を5秒オーバー。この年の制限時間は、通常の17時間ではなく16時間50分だった。ゴール前の映像が世界に流れると、SNSで応援のコメントが数千通も殺到。世界的に有名になったという。
期待に応えなくてはと、それま…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル