国内有数の山岳地帯を抱える長野県内で、今年のゴールデンウィーク期間中(4月29日~5月7日)に起きた山岳遭難は18件で、前年の7件から倍以上に増え、コロナ禍が始まった2020年以降の最多を更新した。死者は3人増の4人だった。県警はコロナ対策の行動制限などが緩和され、天候も安定したため登山客が増えたとみている。
県警山岳安全対策課によると山岳遭難18件のうち12件が北アルプスで発生した。12件のうち8件が槍(やり)・穂高連峰での遭難だった。
全体の遭難者数は21人で、前年より14人増加した。21人のうち長野県外居住者が20人を占めた。年齢別では、30代以下が9人と遭難者の4割を占めた。次いで60歳以上が8人と続いた。
遭難の発生状況別では、「滑落」が計8件で最多。前穂高岳では5月2日、滑落した2人が死亡。奥穂高岳では5日、急斜面を下山していた男性が約400メートル滑り落ち、死亡した。下山できなくなるなど「技量不足」による遭難も3件あった。アイゼンやピッケルといった冬山装備を持たずに槍ケ岳に登り、下山できなくなった例もあった。死亡原因は「滑落」は3件、「不明」が1件だった。
県警山岳遭難救助隊の岸本俊朗隊長は「山にはしっかりと雪が残っている。ルートや装備の確認など、不備の無い状態で山に来て欲しい」と話した。
GWの時期は北アルプスはまだ冬の世界。標高3106メートルの北穂高岳の山頂を記者がめざしました。
アイゼンとピッケルを手に雪と岩の世界へ
北アルプス・北穂高岳(31…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル