新型コロナ対策の行動制限などが緩和された今春の大型連休。北アルプス・穂高連峰の登山拠点となる涸沢(からさわ)は登山者のテントで埋まり、コロナ禍前のにぎわいに戻りつつあった。
山小屋の関係者は登山客の回復を歓迎する一方、長野県警は積雪期で中上級者の技術が必要な登山での遭難を警戒。連休中、穂高連峰に入った記者が現地に常駐した県警山岳遭難救助隊員らを取材した。
「やっとだよ、やっと」。大型連休中の2日、涸沢ヒュッテの山口孝会長(75)は登山者の回復にうれしそうな声を上げた。
まだコロナ禍前の最盛期には及ばないものの、テント場には2日に180張りが並び、3~4日には2日間で計500張りに達した。
2年前の同時期には1日あたり3張りほどの日もあったため、利用者数は雲泥の差があった。テント場に到着した客は持ち込んだ食材を使って料理をしたり、お酒を飲んだりして思い思いの時間を過ごしていた。
ヒュッテはコロナの感染対策の名残で今も完全予約制。1室に2人ほどの寝泊まりが上限だが、コロナ前は最大9人が泊まっていた。一昨年からヒュッテの社長に就任した小林剛さん(59)は「ウィズコロナで頑張るしかない。ここには360度の展望がある。活気のあるヒュッテにしたい」と期待を込めた。
食堂で救助隊員が講話 新入隊員の姿も
この時期に山小屋の名物とな…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル