作家が演じる文士劇が、盛岡市で続いている。戦後に始まり一度途絶えたが、復活してから27回の公演を重ねてきた。5月20日には岩手県出身の石川啄木をテーマに、東京都文京区で公演する。盛岡市と文京区は、啄木の生誕と終焉(しゅうえん)の地。その縁で実現することになった。芥川賞作家や、テレビでよく見かける人らが出演する。
タイトルは「一握の砂 啄木という生き方」。
若き天才詩人として注目された啄木だが、盛岡で創刊した文芸誌の失敗などで家族の生活は困窮。故郷を離れて北海道を漂泊した後、文学の創作活動のため上京する。理想と現実の間で生きる啄木の姿が描かれる。
脚本を担当した盛岡市在住の道又力さん(62)は「啄木は周りに迷惑をかけますが、それでも逆境の中で常に前向きに生きた人で、『啄木ってこういう人だったの?』と思ってもらえたらうれしい」と話す。
文士劇の研究者でもある道又…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル