聞き手・長野佑介
マイナンバーカードのトラブルが相次いでいます。コンビニの証明書取得サービスで他人の住民票の写しなどが交付されたり、「マイナ保険証」に他人の情報がひもづけられていたり。一連のトラブルを、法政大大学院の白鳥浩教授(現代政治分析)は「制度の信頼を揺るがす事態」と指摘します。政府が信頼を取り戻すにはどんな対応を取るべきなのか。詳しく聞きました。
マイナンバーカードのトラブル
コンビニの証明書取得サービスの誤交付は計14件起きている。横浜市で3月に初めて確認され、その後、東京都足立区、川崎市、徳島市でも発覚。河野太郎デジタル相がシステムを提供する富士通Japanに対し、運用の一時停止と再点検を要請する事態となった。 マイナンバーカードと一体化された健康保険証「マイナ保険証」に別人の情報がひもづけられていた問題は、加藤勝信厚労相が12日の会見で認めた。厚労省によると、本人とは違う情報が登録されていた事例は2021年12月~22年11月で、7279件起きていた。
――一連のトラブルをどうみましたか。
ちょっとしたシステムエラーや人為的ミスで個人情報が簡単に漏洩(ろうえい)してしまう――。一連のトラブルで制度の危うさの一端が明らかになったと言えます。
制度の根幹を揺るがすトラブルであることは間違いありません。でも、わたしは起きてしまったトラブル以上に、そもそもの政府の個人情報保護に対する姿勢に強い危機感を持っています。
漏れた情報のリスク、重大性は
――どういうことですか。
政府は、国民ひとりひとりの…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル