5月14日夜、名古屋空港から新潟空港へ向かう飛行機に乗っていた「はっしー」さん。
天然繊維の糸やニット製品を販売する長谷川商店(愛知県一宮市)で、営業職として働いている。
この日は、翌日からの営業活動に備え、新潟に前日入りしてホテルで一休みする予定だった。
以前はアパレルブランドの店長として働いていたが、コロナ下の2022年2月に転職。
糸を扱う仕事になったこともあり、今年に入って編み物にも挑戦している。
会社から指示されたわけではないが、「できることを増やしたい」という思いで始めた。
編み物の魅力は「基本や基礎はあるけどれ、編んだ物に正解も間違いもない」という点。
集中できるし、気持ちをリセットするのにも役立っている。
◇
機内で眠れそうになかったので、前日に編み始めた練習用のスワッチ(素材見本)の続きをすることに。
保安検査所で「かぎ針」を見せたが問題ないとのことだったので、機内に持ち込んで編んでいた。
悪天候で飛行機が揺れたこともあり、編み目がなかなか安定しない。
編んではほどきをくり返していると、通路を挟んで向こうの席に座っていた70代くらいの男性の視線が気になった。
編み物をしている手元を何度も見られているように感じる。
「男のくせに編み物?とか思っているんだろうな」
気にせず続けていたら男性は席を立ち、トイレに向かった。
戻ってきた際、こちらに近づいてきて意外な言葉を口にした。
「突然すみません。なんで…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル