鮮やかな朱色の斑点がちりばめられた体色の美しさから「渓流の女王」と呼ばれるサケ科の川魚アメゴ(アマゴ)を、海で養殖して回転ずしなどで人気の「サーモン」として出荷する試験が、徳島県で取り組まれている。山の恵みを豊穣(ほうじょう)の海で育む新たな養殖体制を構築し、タイやブリに続くご当地名物の魚として売り出すのが目標だ。
渦潮で知られる鳴門海峡に面した鳴門市北灘町の粟田漁港。2月7日、岸壁に止めたトラックの水槽から体長約20センチのアメゴ約2千匹をシートをすべり台のように渡して放流されると、海面のいけすの中でピチピチと元気よくはねた。
アメゴが生まれたのは粟田漁港から南へ約40キロ離れた山間部の徳島県上勝町の養殖場だ。卵から孵化(ふか)させ、体長20センチほどに育成。淡水から海水に慣れさせるため、いったん南へ約30キロ離れた太平洋に面した海陽町の県栽培漁業センターのいけすに運ばれて約2週間過ごした。その後、北へ約70キロ離れた鳴門市北灘町の粟田漁港までトラックで約3時間かけて運搬。直線距離にして計100キロに及ぶ長旅だった。
渓流→海でアメゴからサツキマスに
アメゴは徳島県の地方名で…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル