心臓が突然止まって倒れてしまう事例は、65%が自宅で起き、市街地など公共の場での場合に比べて死亡率が高い――。そんな分析結果を専門家チームがまとめた。救命が期待できるケースでも自動体外式除細動器(AED)はほとんど使われておらず、「自宅で救える命」への取り組みの重要性が示された。
大妻女子大や京都大、大阪大などのチームが総務省消防庁の統計をもとに、2013~15年に全国で起き、救命が試みられた突然の心停止事例約33万件を分析した。64・9%にあたる約21万2千件が自宅(戸建て約18万6千件、集合住宅約2万6千件)で起きていた。内訳は「居間、寝室」(約14万4千件)、「風呂」(約2万8千件)が多かった。
自宅で倒れた場合、1カ月後の生存率は3・4%で、大きな後遺症なく社会復帰できたのは1・4%だった。チームが同じ統計をもとに別途分析したところ、職場やスポーツ施設など公共の場で倒れた場合の同様の生存率は19・7%、社会復帰率は13・8%だった。平均年齢などが違うので単純比較はできないが、自宅で倒れた人の生存率・復帰率の低さが目立った。
心停止は、AEDを使っても必…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル